2019年5月31日金曜日

昭和27年04月21日 衆議院 行政監察特別委員会

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/013/0666/01304210666018a.html

[014]
日本共産党 山口武秀
ただいま長い報告を、私はきわめて静かに聞いておりましたが、数点について御質問をしたいと思います。

この報告書作成に当られました5名の派遣委員は、基本的にはアメリカと日本の吉田政府に対して、きわめて忠実な考え方によってつくられたものであります。従いましてこの報告書はきわめて片寄ったものがある。問題の本質をついていないという印象を受けました。この報告書自体は、本日はこれを決定するかどうかが問題になっておるのではないのでありますから、詳細の点は省略いたしますが、2、3基本的な問題について質疑をいたしたい、かように考えるわけであります。

報告を聞きまして、この京都事件の内容と申しますのは、警察あるいは公安委員会等の国家権力と、日本の国民、特に日本に居住する朝鮮人との衝突事件であります。これが事件の内容であります。従いまして、そうした国民大衆と国家権力機関の衝突という問題が起ります際に、われわれがまず第一に注目しなければならないのは、そうした事件の発生する社会的な政治的な基礎の問題であります。この問題が本報告書にいささかも盛られていないのであります。これはきわめて遺憾であります。きわめて遺憾というよりも、ことさらにこの問題に対して目をおおうたのではないか、かように考えるのであります。



(略)



[157]
日本共産党 山口武秀
証人にお尋ねしますが、あなたは世界人権宣言を御承知でしょうか。

[158]
証人(京都市公安委員会委員長) 守屋孝蔵
それは読んだことがあります。

[19]
日本共産党 山口武秀
読んだことがあるとすればきわめて幸いだと思います。その中にこう書いてある。「人間が専制と圧迫とに対する最後の手段として反逆に訴えざるを得ないものであってはならないならば、人権は法の支配によって保護されなければならないことが、肝要であるので、」世界人権宣言の中におきましても、一般の国民というもの、一般の人類というものが、反乱に訴える場合の一つの状態を書いているのです。

問題は京都市におきまして、そのような国民あるいは日本国土に住む朝鮮人が、国家権力の末端機関に対して反抗したという場合、はたしてこのような問題がありはしなかったか、このことを公安委員会は当然考えるべきであったと思うので、もしも大会の寸前に不許可にしておるようなことがあれば、これがこういうような実力行動にかり立てはしないかどうか、あるいは官憲のこれまでの態度におきまして、自由は許されなかった、そういうものがあるとすれば、やはり国民をそういうふうにかり立てはしなかったかどうか、さらに申しますならば、あなたの立場において一つの矛盾を感じなかったかどうか、たとえば憲法において再軍備が禁止されておるにもかかわらず、実際上国民の認める再軍備が進行されている。こういう状況において法の尊厳というものが否定されつつあるという事実の中において、このような問題が発生したと考えられないかどうか、この点をお尋ねしたい。

[160]
証人(京都市公安委員会委員長) 守屋孝蔵
御質問の範囲が非常に長くなったので、私一々記憶しておりませんが、記憶する範囲だけをお答え申し上げます。

われわれの方で御質問者のおっしゃるような弾圧というようなことは決してないのであります。もしその結果があなた方が見てもって弾圧なりとおしゃるならば、それはどうも見解の相違でありまして、われわれの方で見ればすべて一視同仁であります。何人に対してもそういう差別観を持って待遇するというような態度は絶対にございません。従ってわれわれとしましては、申請しまする内容その他環境等を考察しまして許可、不許可を決定いたしますので、すべて治安に妨害なしと信じますならば、みなたいがい許すことにいたしております。さような次第ございまて、われわれの方で――第一、弾圧をもって迎えるということの御推察は相当じゃないと私は信ずるのであります。

なおまた国家の現状から見て、われわれの方針と何か矛盾するようなことを感じないかとの仰せでありますけれども、私どもは自分の平生信ずるところに向って進行しておりますから、決して自分の方で矛盾ありとは感じておりません。



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