2019年5月19日日曜日

昭和23年05月01日 参議院 本会議

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/002/0512/00205010512036a.html

[016]
日本共産党 細川嘉六
大阪、神戸において学校閉鎖問題につき、朝鮮人の騒擾事件なるものがあり、それに対して政府はこれに善処することができず、暴行、脅迫があったということでGHQの非常事態宣言が出されたことは甚だ遺憾であります。更に今日この問題を、本議場において話しまするときに、更に私は議員諸君の冷静と道理とを期待しなければなりません。朝鮮人教育問題は、よく話せば相互了解ができない筈のものではありません。責任ある朝連の朝鮮教育対策委員会の主張によりますと、日本に住んでいる限り、我々は法律を守り、あらゆる面で日本の復興のために協力したい。第1に教育用語は朝鮮語でする。これは朝鮮人が国に帰らんならんものだから、子供に朝鮮語を教えなければならんという主張であります。第2は、教科書は朝鮮人初等教材編纂委員会で、在日朝鮮児童に適合するように編集した教科書を使用する。そうしてGHQの許可を得たものを使用する、これは当然であります。第3には、学校の経営管理は、学校単位に組織された学校管理組合で行う。それから第4には、日本語を正科として採用する。以上の4項目で、それはその通りの言葉で申すのであります。これさえ認めて貰えば、文部省の言う学校教育法になる私立学校の認可を受けると言っておるのであります。この要求に間違いがあろうか、どこに無理があろうか、こう言っておるのであります。

我が共産党は、この主張に対して反対するわけには行きません。これは道理である。無理がない。併しながら断じて我が共産党は、デモンストレーションにおいて暴力を振えとは少しも述べておりません。我々は文部大臣森戸君と、総理大臣芦田君とに問いたい。この問題に関して政府の措置に重大な過失がなかったか。長年の侵略政策、皆さん御承知の通り……それがために朝鮮人、中国人はいためつけられておる。そういうことについて反省があるか。侵略政策のために、長年いためつけられた者は、朝鮮民族はどういう僻みを持っておるか、これについては多少の寛容な態度がなければならない。今申した右4項目について、朝鮮人の求める道理というものについて、わきまえるだけの余裕がこちらにないか、今日の不祥事件は、若しこの理解があったらば起る筈がありません。然るに遺憾なことには、政府はこの教育問題について少しも歩み寄りをやっていない。それでありまするから、明らかにこの事件の全責任は文部大臣と政府とにあります。

尤も朝鮮人の中には、戦後特権階級的の意識を持っておる者もある。処断さるべき行為をやった者もある。それは承知すべきである。共産党はこれを認めて、こんな状態は何とかしなければならない。朝鮮人連盟と共にこれが是正に当っておることは皆様は御存知でありましょう。(「知らないよ」と呼ぶ者あり)

然るに今日、政府はこの事態に当って自分の過失と無能とを反省しない。それがために惹き起されたGHQの非常事態宣言に乗じて、警察力をもっと強化せよと、武力をもっと持たせろというような主張をなしておる。我が国民の大衆の正当な民主主義運動に対する弾圧を強化しようとしておるのではありませんか。(「ノーノー」)と呼ぶ者あり)それでは今日又新らしくファッショを再現するのか、横行させるのか、民主主義の徹底を要求しておるポツダム宣言を空文にするのか、我々は更に鈴木法務総裁に問いたい。総裁の調査は片手落である、表面的である。大阪においての朝鮮人の請願運動の中に反動団体が入っておる。朝鮮建設同盟、居留民団体、これが挑発をやっておるところの事実は調査されていない。又警察のために重軽傷を負うた者は沢山ある。その中に、我々の調べたものの中でも10人、その中の3人は重傷である。1人は今総裁が述べられたる16の子供である。これが皆後ろから射たれた。ピストルであるとか、或いは棍棒でやられておるのである。真正面からやられたものじゃないのである。16の子は直撃弾を頭の後ろから眼の前にまで通されたのであります。我々は議員諸君の理性と冷静とを求めたい、(「しっかり」と呼ぶ者あり)調査をなさなければならない。その調査は理性と冷静なる判断において確定した調査であって、それによって判定され、処理され(「落ち着いて」と呼ぶ者あり)そうして再び殺傷をこの日本に行わせることをやってはいけない。我々は切に議員諸君の反省と道理とを要求して止まないものであります。(笑声)笑い事ではない。(「死を以て闘えと主張したではないか」と呼ぶ者あり)

[017]
法務総裁 鈴木義男
朝鮮人学校問題に対する政府の対策がよろしいかどうかということにつきましては、今日まで慎重に考慮した結果、この途を行く外はないということに決定をいたしまして、そうして遂に閉鎖命令に到達したのでありまするから、その御議論につきましては、謹んで拝聴はいたしまするが、政府の方針を今更変えるわけにはいかんのであります。(拍手)

それから私の報告が片手落であるということにつきましては、或いはそうであるかも知れません。共産党本部の方により多く資料が入っておるようにお見受けする部分もあるのであります。(拍手)遠慮なく御提出下さいまするならば、只今の怪我をした少年、少女等を初め、又共産党の諸君から提出せられまする資料に基いて、十分に公平に審査をすることだけは、私お誓い申上げて置きます。(拍手)



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