2019年5月28日火曜日

昭和26年03月22日 衆議院 法務委員会

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/010/0488/01003220488012a.html

[105]
日本共産党 上村進
関連して……。3月2日に送還された408名という、これは大体みな不法入国という認定のもとに送られたということになるのですか。

[106]
政府委員(出入国管理庁長官) 鈴木一
先ほど御答弁申し上げましたときに、大多数のものが密入国でございますので、それを主として申し上げましたが、外国人登録令と申しますのは、外国人が日本内地におりまして、必ず登録をしなければならぬ、たとえば日本人が戸籍を持っておりますように、外国人にも登録をさせまして居所進退を明らかにする制度ができております。この外国人登録令違反をいたしました際は、やはり密入国でなくとも送還の対象になり得るのでありますが、それにつきましてはただ外国人登録証明書を持っておらなかったということだけで、すぐつかまえて帰すということはないのでありまして一応外国人登録令違反の事件について、裁判の判決を受けまして、体刑を受けて、相当数刑務所に収容されたという者について、特に送還をするということになっておるのでありまして、違反があれば必ず送還ということではないのであります。先般の400何名のうちどういうパーセンテージであったかは今ここに資料がございませんけれども、従来の大体のパーセンテージから申しますれば、8割程度は密入国であります。

[107]
日本共産党 上村進
この強制送還に対しましては、朝鮮の、少くとも朝鮮人連盟に属した諸君は女、子供に至るまで絶対反対をしておるわけであります。それでむろん自分の国へ帰すのだからいいじゃないかというように、日本の政府当局では言っておる人があるようでありまするが、実際は送還されると向うへ行って大体兵隊に持って行くわけでありますが、はなはだしいのは何をされておるかわからない、すなわち送還即死刑というところまで、朝鮮の人たちは不安を持っておるのでありますが、そういう実情について、政府はお調べの上でこういう送還というようなことを法律的にやっておるのでしょうか、その点を承りたい。

[108]
政府委員(出入国管理庁長官) 鈴木一
韓国側におきまして、どういう処置をいたすかということについては、ただいままでのところ、直接に向う側に行って実情を見るというような国際関係になっておりませんので、詳しい事情はただいまわかりかねますが、ただいままでにわれわれに入っております情報によりますれば、韓国側といたしましても、やはりりっぱな受入れ態勢を整えて、そして日本から送還された者については、寄るべのない者については、家を与えるとか、あるいは疎開させるとか、釜山におります北鮮その他からの避難民に対する施設と同じような施設を、やはり考えておるようであります。ただいまの、外国人登録令違反でないところの朝鮮人に対する送還について、どう扱うかということにつきましては、特別に聞いておりませんけれども、やはり韓国といたしましても、りっぱな司法制度があるようでありますので、それぞれの方法によりまして、もちろん人道に反しない、人道を重んじた方法によって処置することを確信いたしております。

[109]
日本共産党 上村進
この408名のうちに、北鮮系が大多数でしょうが、南鮮系、つまり韓国人民として登録しておる者があるのかどうか。それから408名の具体的な国籍、それから犯罪の種類、それからどういうことをやっておったかというようなことのお調べがついておりましょうか。おりましたらひとつお知らせを願いたいのですが……。

[110]
政府委員(出入国管理庁長官) 鈴木一
どこに住所があるのかというようなことは、一応調べてはございますが、ただいま手元には持っておりません。

[111]
日本共産党 上村進
それをあとにでもお調べを願って、われわれにはっきりさせていただきたいと思うのですが、その点お願いしておきます。これで終ります。



(略)



[120]
日本共産党 加藤充
それでは2つの点をお尋ねするのですが、そういうふうな行政認定でかってにやるというようなことになってしまうと、それに心服しかねる事情を持つ者、原因を持つ者が多々出て来ると思います。私ども仄聞いたしますのに、先ほどのお言葉の中にもあったのですが、長崎県の大村における施設の中で、強制送還を受けるために収容された者と、外部からの面会者との間のいきさつがありまして、たいへん大きな騒ぎがぶち起ったというようなことを聞いておるのですが、そういうふうなことがあるかどうか。またそういうことがあるとすれば、原因は奈辺にあるか、はっきりした御答弁を願いたいと思います。

[121]
政府委員(出入国管理庁長官) 鈴木一
大村で収容を受けておりました者と、収容所の当局の者との間に、多少いざこざがありましたことは事実であります。原因はどこにあるかというお尋ねでございますが、これはいつもそうなんでありますが、収容者を送還いたします日取りがきまり、船がきまって参りますと、やはり日本に残りたいという連中も多数出て参りまして、何とかして残りたいという気持から、非常におちつきを失って来る状態が起るわけであります。そういうときにたまたま、面会時間と申しまして、朝鮮に送還される人と、わかれのあいさつに行っておる連中との面会が許されるのでありますが、その面会時間というようなものを超過したというところから、いろいろいざこざが起きまして、今お話のような――そう大した騒ぎとは思いませんが、騒ぎがあったというわけでございます。

[122]
日本共産党 加藤充
そうすると、強制送還をします際に、家人との面会あるいは家人に通知あるいは着かえをする余裕なども与えずに、強制送還をされておるような事例を私どもは事実見ておるのですが、そういうふうなことは、どういう根拠でなされるのですか。

[123]
政府委員(出入国管理庁長官) 鈴木一
送還に際しまして、面会を拒否するような事例は、ただいままで聞いておらないし、また衣服その他必要がありますれば、着がえさせるということについて、われわれとしましては、万般の便宜を与えておるつもりでありますが、もし御指摘のような事例がございますれば、後刻特別に承りたいと思います。

[124]
日本共産党 加藤充
今度は避難民との関係ですが、避難民は、外国人登録令などの適用の問題と、また別個の性格を持つものだと思うのですが、避難民と外国人登録令の問題、それと送還の問題はどういう関係を現在持っておりますか。

[125]
政府委員(出入国管理庁長官) 鈴木一
ただいま避難民と言われましたのは、朝鮮動乱が起きまして、朝鮮におられないで、日本に避難をして来るという一連のことであろうと思いますが、現在におきましては、特に避難民であるから、特別の考慮を払わなければならぬという段階には至っていないのでありまして、その扱いに関しましては、外国人登録令一本で参っておりますので、特別に便宜を与えるということにつきましては、現在のところ、特に申し上げる点はないのであります。

[126]
日本共産党 加藤充
避難のことと同時に、人間としての住居の自由といいますか、これは世界人権宣言の中に明らかに規定されているところなのであります。避難民でありますから、もちろん登録令に基く手続などはいたしておりませんけれども、大きく日本あるいは日本が国際生活、世界生活の関係の中に入って行きまするために、こういうようなものをただ外国人登録令16条違反という形で一括に取扱っているということは、政策的にも、また世界人権宣言というようなものの中に規定されている関係から見ても、これは法律の拘束はなくても、多少法的なものとして、重要な影響なり、立場を日本人は持ちまするし、その立場に立つものだと私どもは思いますが、先ほどの大村の収容所で問題を起した連中、あるいは3月2日に送還された408名の中には、いわゆる外国人登録令というような関係じゃなしに、実質的に避難民であるという実体を備えた者が多数あったのではなかったのですか。

[127]
政府委員(出入国管理庁長官) 鈴木一
この400何名かの中には、避難民と呼ばるべき、特別にそういう旗じるしで入って来た者は、それほど多くなかったと存じます。ただつけ加えて申し上げますが、現在におきましては、わが国に独自で考えるべき権限がございませんので、現在の出入国の関係におきましては、一切の人は日本に出入りしてはならぬという司令部の命令によってやっておるのであります。その間に、避難民であるかどうかというような、日本の歴史というか、長い目で見た、大きな方策から割り出された施策ということを、ここに織り込む余地がないことを遺憾に思いますが、韓国におきましても、避難民といえども国外には出さない、今韓国はあげて戦わなければいけないという意味で、この際避難民として日本に逃げておるような者は、むしろ韓国を裏切る者であるというようなところまで、韓国側としてはやっておるのでありまして、それやこれやを考えますれば、避難民はいつでも来いという態勢をわが国でとることは、現在適当ではないのではないかと思います。

日共と在日の事件 ~ ソースは国会議事録

神奈川税務署員殉職事件      19470623
浜松事件             19480404~05
犬山事件             19480408
阪神教育事件           19480414~26
宇部事件             19481209
姫路事件             19481210
益田事件             19481225~26
平事件              19490630
下関事件             19490820
武生事件             19490920
台東会館事件           19500310・20
人民広場事件           19500530
・朝鮮戦争勃発           19500625
長田区役所襲撃事件        19501120~27
大津地方検察庁襲撃事件      19501201
円山公園事件           19501209
王子朝鮮人学校事件        19510307
浅草米兵暴行事件         19510321
東成警察署襲撃事件        19511201
練馬事件             19511226
白鳥事件             19520121
田口事件             19520203
京都事件             19520223・0320
広島事件             19520301
静岡地方裁判所事件        19520414
血のメーデー事件         19520501
京都メーデー事件         19520501
広島地裁被疑者奪回事件      19520513
大阪地方裁判所堺支部事件     19520515
吹田事件             19520625
横川元代議士襲撃事件       19520807
大村収容所事件          19521111
・朝鮮戦争休戦協定締結       19530727