2019年5月19日日曜日

昭和23年04月30日 衆議院 本会議

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/002/0512/00204300512044a.html

[003]
法務総裁 鈴木義男
今回神戸・大阪に発生いたしました朝鮮人の騒擾事件は、まことに遺憾な事件であります。私は、27、8の両日にわたり、現地についてつぶさに調査いたしてまいった次第であります。これを詳細に申し述べまするには長時間を要しまするので、ここにごく簡略に概要を御報告申し上げ、他は御質問等に応じて委員会等において申し述べたいと存じます。

(略)

それで、これは各3つにわかれてなされました会場においても盛んにアジ演説等が行われまして、それぞれ群衆を興奮させたのであります。今その一々を御紹介する訳にもまいらないのでありますが、代表的なもの1、2をあげますると、生野支部大会、これは大手前に来る前に行われた大会でありまするが、そこでは、日本共産党関西地方委員柳田春夫君が、次のようなメッセージを朗読して激励したということになっているのであります。

私は日本共産党を代表して、朝鮮の皆様に激励の言葉を申し上げる。

今回の日本政府が行いたる朝鮮人学校閉鎖命令に対しては、日本共産党は朝鮮の皆さんと同じく絶対反対し、皆様と一緒に共同闘争を展開しております。朝鮮独立と朝鮮教育自主は絶対死守しなければならない事項であるということは、朝鮮の皆様は心肝に徹しなくてはならない。

朝鮮人学校閉鎖命令反対闘争は、朝鮮皆様の同胞が、下関や岡山や神戸において活発に展開せられ、多数の犠牲者を出しておられるのである。本日皆様が行われる闘争がもし敗北せられた節は、これら多くの犠牲者が浮ぶことができないのでありますゆえ、本日の闘争は、皆様が死しても目的達成に奮闘せられなければならぬ。

わが共産党においても、皆様の必死の雄叫びに対し全面的に支持して、ともに共同闘争を開始したのである。現に大阪府庁内には、われわれの同志が、皆様の来るのを待っているのである。皆さん、本日の闘争は朝鮮人の死活問題であるから、大なる奮闘のほどお祈りいたします。

それから大手前公園に参りましてからは、各地代表が、あるいは全逓の大阪支部の代表とか、あるいは岡山からわざわざやってきた代表、これは女の人でありますが、岡山では正々堂々と闘って遂に勝った、大阪に来てみれば意気地がないというようなことを申して、激励をしておるのでありまするが、また日本共産党の川上貫一という人は、朝鮮人教育問題は朝鮮人を奴隷化するものであり、働く人民大衆を無知に追い込まんとする支配階級の陰謀であり、これが芦田内閣の性格である、この闘争に負けたら、さらに大なる弾圧が続くであろう、学校閉鎖は単に教育問題ではなく、民族闘争であり、階級闘争である、この重大意義を認識して強力に闘争してもらいたいという趣旨の演説を試みております。その他無数の人々が、30年間日本は朝鮮を併合して、筆舌に尽しがたい暴虚を加えた上、再び、われわれが朝鮮再建のために、愛する子弟を民族独自の立場から育てようとしておるのに、日本の帝国主義的統制のもとにもち来さんとするものであって、実に慨嘆にたえないという趣旨の演説を、繰返し繰返し行っておるのであります。

そういうふうなことで、大分興奮をしてまいりまして、遂に2万名の群集が大手前の公園に集まったのであります。知事室の前にも皆すわりこんで、知事室にも30数名の代表がはいりまして、そうして数時間にわたって盛んに撤回を迫ったのであります。知事はあくまで頑強にこれを拒否し続けたわけであります。

(略)

神戸におきましては、その検挙された者のうちに、7人の日本人がおります。共産党員とみずから名乗る神戸市会議員の何とかいう人を初め、日本人が7人おるのであります。また大阪の方では、9人の日本人が留置せられておるのでありまして、大部分が全逓の人及び共産党の党員であるということに報告されておるのであります。



関連議事録

昭和23年06月10日 参議院 通信委員会
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/002/1412/00206101412012a.html

[009]
逓信政務次官 五坪茂雄
次に全逓幹部には共産党員が多くあります。例えば全逓本部について見ましても、執行委員約80名中共産党員約25名、容共左派とも見られるような方々が約30名もあります。

地連、地協支部等におきましても全逓本部と大同小異の比率にあるようでありますので、共産党の思うように組合を動かし得る現在の状況であるように考えられます。



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