2019年5月22日水曜日

昭和25年03月25日 参議院 予算委員会

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/007/0514/00703250514021a.html

[077]
日本共産党 岩間正男
次に伺いたいのでありますが、台東会館の、最近の朝鮮人弾圧事件であります、これは法務総裁いらっしゃいますか。あれはどういうような工合によってあのような騒擾事件が起されておるのか、これに対して……

[078]
委員長 山田佐一
総理の分だけを願います。

[079]
日本共産党 岩間正男
総理に伺います。総理はあのような騒擾事件に対して、どのような見解を持ち、どのように処理されますか。

[080]
内閣総理大臣・外務大臣 吉田茂
法律の基定によって処理いたします。

[081]
日本共産党 岩間正男
法律の基定と言われますが、この前の朝連解散の問題もこれはあったのでありますが、そうしてあのような一方的にこれを強制接収する、而もこれは財産まで取上げるということをやったんでありますが、それに対してこれは朝鮮人の諸君がこれを東京地裁に訴えられた。この不当について訴えられた。併しそれに対してはっきりとこれは日本の裁判権に属しないというので、これは第2回の公判だと思いますが、そこで却下された。

そうすると私はここで問題にしたいと思うのでありますけれども、一方的にそういうような行為は行使する、而もそれは日本政府の責任においてやるというておいて、その結果の救済規定というものについては全然これは顧みられない。日本の裁判においては全然これは裁判できないのだから勝手にするがいい。これを突破してしまう。

この問題が一体どのような国際的にも影響を与えるかどうかという問題です。これが果してこのようなやり方をやっておって一方で全面講和を口にしてもこれは全く全然根拠のない、裏付のないものになりはしないか。このようなことが果して今後東亜との修好を結んで、そうして東亜の繁栄の中に生きて行かなければならないことを当然運命付けられておるところの日本にとって果していいものか。更に講和を促進するためにこのようなやり方というものは果して効果的であるかどうかこの点……

[082]
内閣総理大臣・外務大臣 吉田茂
主管大臣からお答えいたします。

[083]
日本共産党 岩間正男
私は政治責任について聞いておるのでありますから、法務総裁の答弁は後に廻して貰いたい。

[084]
内閣総理大臣・外務大臣 吉田茂
講和は講和、法律の規定によって政府は行動する。これは政府の義務でありますから、法律の命ずるところによって万事処置いたします。

[085]
日本共産党 岩間正男
今度の騒擾事件ですね、あの関係者のなにを聞きますというと、例えばあそこの台東区長、それから警察署長も朝連の財産ではないということをはっきり認めておる。こういう事実があるのですが、これに対して朝連の財産なりといって強制執行するというこのやり方はどうでしょう。

[086]
法務総裁 殖田俊吉
朝鮮人連盟を解散いたしましたのは昨年の9月でありまして、そのとき直ちに台東会館は連盟の所有の家屋であると考えたのでありますけれども、朝鮮人側におきましていろいろと証拠らしきものを持って参りまして、これは連盟の財産ではないという主張をしたのでありますから、連盟の財産であるということは確実でありましたけれども、これらの主張を一々聞きまして、一遍全部これを調べ直したのであります。調べ直しました結果、如何にしても朝鮮人連盟の財産であるということが客観的に動かせなくなったのであります。

そこでこれを接収を実際にやらなければならないということになりました。ところがその接収すべき家屋の中に住居しておる者が約20数人おったのであります。そこでこれらの人を立退かせませんければ接収が完全に参りませんから、そこでそれらの人のために別に所を作りまして、そうして住居を拵(こしらえ)えましてそこへ移すことを明示いたしました。そうして移って呉れということを頼みましたのであります。ところがどうしても移らず、移らなければそれは政府の側においてこれを移す、荷物をまとめまして、そうしてそこへ運ぶということまでやるという話をいたしたのであります。最も穏やかな方法で、最善を尽してこれは接収にかかったのであります。

若しこれをいろいろな文句があるから接収をしないことでありますれば、あの法律の規定が無効になるのでありまして、法律を厳正に執行する立場からいたしまして到底許可することができない。全国数10ケ所或いは数100ケ所の連盟の財産について同一なことが起り得るのでありますから、法律の飽くまで規定するところに従って処置をする。併しながらいろいろな影響がある。その影響は最小限度にこれを止めたという折角の苦心をいたしたのであります。

ところがこれを聞きました朝鮮人側におきまして、あの当日接収を決行いたしましたときに、数100名の朝鮮人が集まりまして、そうして家の内外に屯(たむ)ろしまして、そうして家の中に200人ぐらいおったそうです。僅か75坪の建物であります。そういたしましてこれを接収に参りました者にこれを拒絶し、保護して参りました警察官に対して煉瓦のかけを投げる、板を投げる、板切れを投げるというようなことで、結局これを防衞しますために騒擾のような形になったのでありまして、これは甚で遺憾でありますけれども、何ら政府の処置に手落ちはなかったのであります。

これが朝鮮人側においてこれに抵抗し、これが騒擾になったからと申して少しも政府の側に責任はないのであります。これを責任があると申すならば、責任の所在は到底明らかにならんのであります。

従ってこれらの騒擾を起した朝鮮人側約100数十名を検束いたしまして取調べました結果、これは告発すべきものと警察で考えまして、只今告発になって、検事局において只今それを十分に調査いたしておるような次第であります。

少しもその間に不当とか弾圧ということはなかったのであります。昨年の9月からこの3月まで、実は長い期間を置いてこれを調整しておったのであります。

[087]
日本共産党 岩間正男
今のお話だけでは辻褄が合っているように聞かれますけれども、要するにこのような、朝鮮人に対する、つまり外国人に対するところの政府の基本的な政策が問題なんです。今のお話ではこういうなにを作ったからそこに移れ。併しその家が一体どういう条件であるか。この条件が果して満されておるのであるか。本当にこれを保護するという立場からしたのであるか。まるでこれを隔離するという立場からしたのであるか。

更に今までの朝連の解散に対して納得してできないからといって、これに対して提訴している。これを一方ではそのように強制執行しておるのであったなら当然に保護規定をとって、この裁判を受けて、その結果を明らかにするというのが日本政府の立場でなければならない。然るにそういうことはしない。

又一方に外国人の登録なんかの例を聞いたのでありますけれども、これは最近、例えば手帳のようなものを持って歩いて、実に厳重です。風呂場に行くまであれを持っていないととても身動きもできないというような情勢が私達に訴えられておるのであります。こういうような、基本的に一体このような朝鮮に対して飽くまでもこれは新らしい友達として、これに対して我々がはっきりした保護的な態度で出るか、或いはこれに対して依然として今までとっておったような朝連の朝鮮人に対する考え方でやるか、ここのところに基本的な問題の分れ方があると思う。

今のお話は一応辻褄が合っているように思うのでありますが、一体朝鮮人に対して全面的にそのような方策を採るという態度を持っていられるのか。そうしてそれが日本の将来の例えば講和、平和を確立するという方向と、一体密接な関係があると思うのでありますが、このような、いわば民族に対する一つの抑圧のような態勢をとられて、果して一体講和を促進するために役に立つとお考えになるか。これを首相に私は伺いたいのであります。

[088]
内閣総理大臣・外務大臣 吉田茂
只今も申す通り講和は講和、日本の秩序、法律が紊(みだ)され、若しくは侵されて、これは政府として傍観いたすわけには行きません。秩序を破壊するような法律を侵す者は、それが如何なる場合においても一応政府としては法によって処分いたさなければならぬ。

[089]
日本共産党 岩間正男
秩序を破壊するというような話でありますけれども、これに対して今度のなにを見ますと、例えば装甲車2台が動員されておる。それから警官も1000人も動員されておる。こういうような物々しい態勢でなされている。ここに非常にやはり日本の現在とっておる政府のやり方、それが非常に或る意図の下にされているのではないか、弾圧そのものが非常に大きなやはり危険を孕んでおるのではないかというように考える。

私達はここに思い起したのでありますが、例えばナチスがあのような戦争に入る前に、ユダヤ人を追放した。他民族を圧迫した。この他民族を圧迫するというようなこの狭い民族主義の上に立って、そうして一体世界の平和を維持するというような方向を取ることができるかどうか。

こういう点から考えるときに、今度の朝鮮人に対するところの措置というのは、非常にこれは重要な意味を持つものだ、こういうふうに思います。こういう点について、それは時間も余り少いのでありますから、議論をやっても仕方がないから、この程度で止めます。



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