2019年5月29日水曜日

昭和26年03月24日 衆議院 厚生委員会

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/010/0790/01003240790017a.html

[055]
日本共産党 井之口政雄
非常に厳重な調査をされて、措置をとっておられるそうでありますが、去年でございましたか、神戸において神戸事件というのが起きております。これは神戸の長田区のあの近所におります朝鮮人約3万ぐらい――3万でしたか、たしか万という数であったと思いますが、その朝鮮人が、従来統制経済の時分には、いろいろ小さなやみ商売というふうなもので、細々と生活を立てておったがそれもできなくなった。あるいは職安の仕事は一ぱいでできなくなった。こういうのでどうにもこうにも生活ができなくなった。そこでその人たちが集団的に委員を選んで、長田区の役場に行って区長さんに交渉した。それを官憲が非常に弾圧して例の神戸事件というものが起った。

私は現地に行って調査したのでありますが、こういうふうなことに対して、厚生省として十分あの事件を調査なすっていらっしゃいますか。長田区の区長のやり方が正しかったか、かつ向うでは今そうした特殊の状態にある人たちに、生活保護法の適用がうまく行っているのか。また生活保護法を受けている人たちに対しても、市民税の賦課が参っております、というのが、あの時分のみんなの異口同音に申したところであります。そういう点などは厚生省としては一考を煩わされないのですか。

[056]
政府委員(厚生事務官(社会局長)) 木村忠二郎
神戸の長田の事件を初めといたしまして、集団的に保護を申請するということは、絶対に私の方では認めておりません。保護はあくまでも個々の世帯を対象にいたすことにいたしております。従いまして集団的に申し込んで参りましても、これは相手にいたしません。全部個別的な申請をとりまして、その申請に基いて処理いたしております。神戸の長田事件におきましては、集団的に参りましたのでありますけれども、これに対しましては相手にしないのがあたりまえでありまして、これを相手にしたらかえって違法でございます。

われわれといたしましては、その後の状況を聞いておりまするが、必要なものにつきましては、非常に困難な調査であったにもかかわらず、全部調査いたしまして、これについて必要なる保護をいたしておるというふうに、私の方では調査ができております。なおこの場合におきまして、特に朝鮮の方々におきまして御協力を願わなければならぬ点があると思っておるのでありますが、調査に対しまして非常に不協力的であったという点、われわれとしましてそれを調査した結果、遺憾であると思っております。少くとも生活保護というものが権利であります以上は、保護を受けます者におきまして、各種の調査に対して十分なる協力をしなければならぬにもかかわらず、この調査を非常に阻害した。協力しないだけでなく調査をはばんだという点が、多々見受けられるのであります。これらの点につきましては、われわれといたしましては、そういうふうなものでも非常に苦労をいたしまして調査をいたしました結果、やりましたやり方につきまして、それほど悪いとは私は思っておりません。非常によくやってくれたと思っております。



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