昭和26年05月29日 衆議院 文部委員会

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/010/0804/01005290804029a.html

[094]
日本共産党　渡部義通
請願者は、東京都新宿区在日本朝鮮学生同盟総本部執行委員会の孟東鎬君であります。本請願の要旨は、在日朝鮮学生は現在、高等学校以上の学生が1万6000を越え、学資金及び生活難のため、1割しか学校に出席できず、ことに朝鮮動乱のため送金のとだえた学生は、教育権を奪われ、朝鮮人であるがため育英資金も与えられず、官庁、会社のアルバイトもできない状態に置かれておる。

ついては、朝鮮学生救済のため左の事項を立法化されたいというのであります。第1が、育英資金を朝鮮人の学生に貸与すること。第2は、生活保護法を朝鮮学生にも適用することであります。

[095]
政府委員（文部事務官（大臣官房会計課長事務代理））　相良惟一
困窮をしておりますところの在日朝鮮学生に対しましては、深く同情する次第でありますが、遺憾ながら現行の日本育英会法の建前といたしましては、奨学資金の貸与は、朝鮮学生あるいはその他第三国人には及ばない趣旨になっております。

また育英会の現在の予算額では、遺憾ながら日本の学生の希望さえも十分満たし得ない状態にありますが、何らかの方法を研究してみたいと考えております。