http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/007/0790/00703140790013a.html
[004]
日本共産党 苅田アサノ
大体いただいておる調査によりますと、密輸入者で現在つかまっておる者が9人というような調査が出ておりますけれども、この数字は実際つかまった者はこうだけれども、実際の密輸入者はこれよりもさらに多いと思いますが、その状況についておわかりになっていたらお聞きしたい。
[005]
説明員(厚生技官(薬務局麻薬課長)) 里見卓郎
確かにその通りでありまして、実際に昨年検挙した者を調べますと、主として密航によって少量の麻薬を持って来た者、例外としまして朝鮮からヒロインを相当量持って来た者がありますが、大部分は少しずつ麻薬を密航して持って来ておるわけであります。
これも密輸になりますが、実際問題としまして、市場に流れておりますやみの麻薬は、大体密輸品と思われるものが相当量――これは密輸という判定がつきませんが、ヒロイン等から見まして、国内で生産がありませんし、かつ手持ちのないはずのヒロインがなお流れて来ておることを見ますと、密輸品だということが想像つくのであります。これはやはり密輸入によってやみ市場に流れるのでありますから、相当の密輸入者があることは想像されます。これにつきましては、鋭意せんさくを続行しております。
[006]
日本共産党 苅田アサノ
大体密輸入の相手国が、昨日の御答弁によって見ましても、朝鮮とかあるいは中国というような方面から来ておるというようなお話に伺ったのでありますが、そうしますと、やはりここに上っております数字以上に、朝鮮人ないし中国人が密輸入に関係しておるということは、大体想像されると思うのでありますが、そういう点につきましては……。
[007]
説明員(厚生技官(薬務局麻薬課長)) 里見卓郎
その通りでありまして、確かに朝鮮からヒロインが入り、中国から入るものと考えられます。特にヒロインで密輸して昨年あがったものは、すべて朝鮮から参ったものであります。
それからそういう品物と比較しまして、やみ市場でつかまえたが、犯人が持っておったヒロインと比較してみますと、相当品質の違うものがあります。これはどうも中国のものではないかということが想像されまして、それは追及はしておるのですが、的確に中国のどこから運んで、どういうものがどこに上ったということまではわかっておりませんので、品質その他から考えまして、確かに中国のものではないかという想像のもとで、捜査を続行しておるわけであります。
[008]
日本共産党 苅田アサノ
そういたしますと、私ども考えられますことは、この取締法が適用されて、さらに麻薬取締官というものが中央の直轄になって取締りを強化するということになると、その対象に、多数の中国人ないし朝鮮人というものがなることは、当然考えられるわけでありますが、一方特に朝鮮人なんかの内地における生活状態を見ますと、非常に困窮しておりまして、実際内地人と比べましても、非常にひどい生活をしておると思われます。それから中毒患者の数を見ましても、このうちの相当数はやはり朝鮮人ということになっておるわけなんです。こういうふうな取締法を強化される一方、昨年の朝鮮人連盟の解散以後、朝鮮人の生活を向上する面について、政府はどういう施策をやっておられるかということについても聞たいのですが、これはどうも麻薬課長ではおわかりにならないと思うのですが、どなたにお聞きしたらいいわけですか。
[009]
政府委員(厚生事務官(薬務局長事務代理)) 星野毅子郎
朝鮮人連盟解散以後の国内在住の朝鮮人の生活状況につきまして、その生活内容を十分に注意し、改善方につきまして、政府といたしましてよく留意するようにという御質問でございました。これに対しましては、厚生省も関係を有するわけでありますが、他の省にも関係いたしておるわけであります。ただ御質問の御趣意につきましては、政府といたしましても十分その点は注意いたしまして、解散の目的はほかにございまして解散されたわけでございますが、連盟の解散後の国内在住の朝鮮人の生活に留意し、その幸福なる生活を送らしめるということはやはり大きな問題でございまして、その点につきましてはおのおの関係の省におきまして、十分今後とも注意して参りたいと考えております。
[010]
日本共産党 苅田アサノ
私は希望を述べたわけではなくて、現在どういうふうに行われているかということを質問いたしたわけなんですが、これにつきまして――厚生大臣はおいでにならないのですか。
[011]
委員長 堀川恭平
きょうは厚生大臣は呼んでおりません。
[012]
日本共産党 苅田アサノ
そういうことについてどなたかお答えいただけませんか。
[013]
委員長 堀川恭平
それはこの議題とちょっとかけ離れておるのではないかと思いますか、そういうことでお聞きになるのでしたら、厚生大臣を他日呼びます。
[014]
日本共産党 苅田アサノ
そういうふうにただ技術面だけの、法律の条文だけの意見をここで言うだけじゃないと思うのです。やはりこういう場合に、厚生大臣なり、あるいは大臣のかわりに次官なりがおいでになって、そういう意味の質問に対しても、適宜な責任を持った答弁を願わないと、どうしてもこの審議は遅れて来るように思うのです。
私の今お聞きしたことも、取締りを強化されるということから、その反面に、生活に対するどういう指導なりあるいは注意なりを払われておるかということが、やはり表裏として私どもとしてはお聞きしたいと思うので、その答弁をこの場でお開きしたいと思います。そうでないと、私どもが心配しているのは、この法律が出れば、先ほどから課長との質疑応答の中にもはっきりしていましたように、これは少なからぬ朝鮮人なり中国人が対象になることははっきりしてるわけです。そうなれば私どもは、その反面として、こういう実際に気の毒な人たちに対して、政府としてどういう考慮を払われてるかということは、直接この法案の審議に関係がないということは言えないと思います。
[015]
委員長 堀川恭平
委員長としては、それはこの法案の審議に関係はないと考えます。
[016]
日本共産党 苅田アサノ
そうなりますと、一々この問題はこ法案に関係があるとかないとかいうことになると、私どもが自由に法案に対して、方々から十分納得の行よくうに審議することが不可能になると思います。
[017]
委員長 堀川恭平
それなら昨日からでも、大臣にこういう点を聞きたいからという御申出があれば、大臣を呼んだでしょう。そう急に、今すぐ呼んで来いと言われても困ります。
[018]
自由党 青柳一郎
関連して――私どもこの新しい法の改正によって取締りが強化されることはけっこうと思いますが、これは朝鮮人、台湾人だけでなく、日本人にも適用されると思うのですが、それでよろしいでしょうか。あるいはその間に差別を設けられる必要があるか。その点をお伺いしたいと思います。
[019]
政府委員(厚生事務官(薬務局長事務代理)) 星野毅子郎
この法案の取締りの趣旨にありますように、私ども取締りを行うわけでございます。その間に日本人であると、中国人であると、あるいは朝鮮人であると差別をいたしておりません。今後も差別をいたさない方針でございます。
[020]
委員長 堀川恭平
苅田さん、そうすると大臣が来られなかったらあなたは質問をおやめになりますか。
[021]
日本共産党 苅田アサノ
まだほかの質問もありますから質問をいたしますが、大臣なり次官なりがおいでにならなければ午後からでもけっこうです。
[022]
委員長 堀川恭平
きょうは午前中で済ませたいと思っておりますが、どうも苅田さんの御意思がよくわからないのですが……。
[023]
日本共産党 苅田アサノ
私は納得の行くような御答弁さえしていただけばいいわけですが、ただ私もいろいろ質問しているうちに、いろいろな方面の質問が出て来ますから、それに対してもこれこれの人をお願いしたいといってもできない場合があるわけです。当然この質問は次官なり厚生大臣なりがおられれば、責任ある御答弁がいただけると思うのです。だからこれはそちらの方で大臣なり次官をそろえておいでにならないという責任があると思うのです。
[024]
委員長 堀川恭平
今も青柳さんから言われましたように、特に朝鮮人や、中国人日当に取締法ができておるのではないということですが……。
[025]
日本共産党 苅田アサノ
特にと言っておりますが、相当多数の人々が対象になるように思われます。もちろん日本人もあがっておりますけれども……。
(略)
[056]
委員長 堀川恭平
起立多数。よってこの法案の質疑を打切り、これより討論に入ります。討論の通告がありますからこれを許すことにいたします。大石武一君。
[057]
自由党 大石武一
私は麻薬取締法及び大麻取締法の一部を改正しようというこの法案に対して、自由党を代表して賛成いたすものであります。
(略)
[058]
委員長 堀川恭平
堤ツルヨ君。
[059]
日本社会党(社会民主党) 堤ツルヨ
麻薬並びに大麻の取締法の一部改正に、次の希望条件を付しまして日本社会党は賛成をいたしたいと思います。
(略)
[060]
委員長 堀川恭平
苅田アサノ君
[061]
日本共産党 苅田アサノ
日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題になっております法案の改正につきましては反対の意見を申し述べます。
問題は簡単でございまして、この法律によりまして麻薬の取締りを名といたしまして、小型ピストルを持って、直接中央の采配によってなる国家警察官が、非常に強化されるという面が出て来たわけであります。こうした中央集権によりましてこれを強化する、現在他の方面で見えております国警の強化と軌を一にいたしまして、こうした面からも国定警察が強化されるという点に対しまして、私どもは反対いたします。
次に取締りを名といたしまして多数の朝鮮人ないし台湾人、中国人という人たちに対しましても、この取締りの対象とされておる実情が明らかなのであります。そういった状態が明らかに出ておるわけなのでありまして、たとえばそうした犯罪とか、あるいは中毒患者に対する対策に対しましては、法の取締りを強化するという面だけでなくて、もっと根本的に生活を安定するとか、あるいは文化教育に対する十分な施設を講ずるとか、あるいは社会施設に対する政府の対策があってこそ、初めてこういう取締りは完全に行われるのでありますが、そうしたことを全然抜きにいたしまして、ただ国家警察を動員して、これによって取締りを強化する、この取締りにあたりましてこうした朝鮮人等に対する弾圧がさらに考えられるというような法案に対しましては、私どもは反対いたしておく次第でございます。
さらに大麻の製造に関する法案の改正に対しましても、今までの人たちが御主張になりましたように、これによりまして従来大麻を生産いたしておりました零細な農家に対しまして、これが大きな打撃になるという点から考えまして、私どもは反対いたしておきます。
ラベル
記事一覧
- 昭和23年04月27日 衆議院 本会議
- 昭和23年04月27日 参議院 治安及び地方制度委員会
- 昭和23年04月28日 衆議院 議院運営委員会
- 昭和23年04月30日 衆議院 本会議
- 昭和23年05月01日 参議院 本会議
- 昭和23年05月07日 衆議院 本会議
- 昭和23年05月11日 衆議院 治安及び地方制度委員会
- 昭和23年05月22日 参議院 治安及び地方制度委員会
- 昭和23年05月24日 参議院 治安及び地方制度委員会
- 昭和24年04月06日 衆議院 地方行政委員会
- 昭和24年05月21日 衆議院 文部委員会
- 昭和24年07月13日 衆議院 法務委員会
- 昭和24年07月16日 衆議院 考査特別委員会
- 昭和24年07月20日 衆議院 地方行政委員会
- 昭和24年07月29日 衆議院 考査特別委員会
- 昭和24年08月01日 衆議院 考査特別委員会
- 昭和24年08月02日 衆議院 考査特別委員会
- 昭和24年08月13日 参議院 地方行政委員会
- 昭和24年08月23日 衆議院 文部委員会
- 昭和24年09月12日 衆議院 考査特別委員会
- 昭和24年09月13日 参議院 地方行政委員会
- 昭和24年10月29日 衆議院 本会議
- 昭和24年11月07日 衆議院 法務委員会
- 昭和24年11月22日 衆議院 予算委員会
- 昭和24年11月26日 衆議院 文部委員会
- 昭和24年11月26日 衆議院 法務委員会
- 昭和25年02月10日 衆議院 法務委員会
- 昭和25年02月28日 衆議院 法務委員会
- 昭和25年03月14日 衆議院 厚生委員会
- 昭和25年03月23日 衆議院 本会議
- 昭和25年03月25日 参議院 予算委員会
- 昭和25年03月30日 衆議院 文部委員会
- 昭和25年04月06日 衆議院 法務委員会
- 昭和25年04月10日 衆議院 法務委員会
- 昭和25年04月19日 衆議院 労働委員会
- 昭和25年04月19日 衆議院 外務委員会
- 昭和25年04月27日 衆議院 法務委員会
- 昭和25年07月07日 参議院 地方行政委員会
- 昭和25年07月11日 参議院 地方行政委員会
- 昭和25年11月17日 参議院 地方行政委員会
- 昭和25年11月29日 衆議院 地方行政委員会
- 昭和25年11月30日 衆議院 法務委員会
- 昭和25年12月01日 参議院 法務委員会
- 昭和25年12月02日 衆議院 外務委員会
- 昭和25年12月09日 参議院 本会議
- 昭和26年01月31日 衆議院 外務委員会
- 昭和26年02月01日 参議院 地方行政委員会
- 昭和26年02月02日 参議院 厚生委員会
- 昭和26年02月07日 衆議院 地方行政委員会
- 昭和26年02月08日 衆議院 地方行政委員会
- 昭和26年02月08日 衆議院 法務委員会
- 昭和26年02月13日 衆議院 法務委員会
- 昭和26年02月16日 衆議院 法務委員会
- 昭和26年02月20日 参議院 予算委員会
- 昭和26年03月07日 衆議院 地方行政委員会
- 昭和26年03月08日 衆議院 本会議
- 昭和26年03月09日 参議院 法務委員会
- 昭和26年03月15日 衆議院 法務委員会
- 昭和26年03月17日 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会
- 昭和26年03月20日 衆議院 法務委員会
- 昭和26年03月22日 衆議院 法務委員会
- 昭和26年03月24日 衆議院 厚生委員会
- 昭和26年03月29日 参議院 法務委員会
- 昭和26年05月26日 参議院 地方行政・法務連合委員会
- 昭和26年05月28日 衆議院 行政監察特別委員会
- 昭和26年05月29日 衆議院 文部委員会
- 昭和26年08月15日 衆議院 行政監察特別委員会
- 昭和26年10月20日 衆議院 平和条約及び日米安全保障条約特別委員会
- 昭和26年10月25日 衆議院 平和条約及び日米安全保障条約特別委員会
- 昭和27年01月25日 衆議院 本会議
- 昭和27年02月12日 衆議院 法務委員会
- 昭和27年02月28日 衆議院 大蔵委員会
- 昭和27年04月01日 参議院 経済安定委員会
- 昭和27年04月03日 参議院 文部委員会
- 昭和27年04月21日 衆議院 行政監察特別委員会
- 昭和27年04月22日 衆議院 行政監察特別委員会
- 昭和27年04月24日 衆議院 行政監察特別委員会
- 昭和27年04月25日 衆議院 行政監察特別委員会
- 昭和27年05月06日 衆議院 本会議
- 昭和27年05月08日 衆議院 文部委員会
- 昭和27年05月16日 衆議院 行政監察特別委員会
- 昭和27年06月04日 参議院 法務委員会
- 昭和28年02月26日 参議院 法務委員会
- 昭和34年07月11日 外務省 記事資料
- 昭和35年12月20日 参議院 予算委員会
- 昭和36年03月16日 参議院 文教委員会
- 昭和36年03月22日 衆議院 外務委員会
- 昭和37年10月31日 参議院 法務委員会
- 昭和38年02月12日 衆議院 法務委員会
- 昭和41年03月29日 参議院 大蔵委員会
- 昭和42年12月15日 衆議院 法務委員会
- 昭和45年12月10日 参議院 内閣委員会
- 昭和48年08月23日 参議院 法務委員会
- 昭和49年09月02日 衆議院 地方行政委員会
- 昭和52年04月19日 参議院 逓信委員会
- 昭和57年08月03日 参議院 法務委員会
日共と在日の事件 ~ ソースは国会議事録
・神奈川税務署員殉職事件 19470623
・浜松事件 19480404~05
・犬山事件 19480408
・阪神教育事件 19480414~26
・宇部事件 19481209
・姫路事件 19481210
・益田事件 19481225~26
・平事件 19490630
・下関事件 19490820
・武生事件 19490920
・台東会館事件 19500310・20
・人民広場事件 19500530
・朝鮮戦争勃発 19500625
・長田区役所襲撃事件 19501120~27
・大津地方検察庁襲撃事件 19501201
・円山公園事件 19501209
・王子朝鮮人学校事件 19510307
・浅草米兵暴行事件 19510321
・東成警察署襲撃事件 19511201
・練馬事件 19511226
・白鳥事件 19520121
・田口事件 19520203
・京都事件 19520223・0320
・広島事件 19520301
・静岡地方裁判所事件 19520414
・血のメーデー事件 19520501
・京都メーデー事件 19520501
・広島地裁被疑者奪回事件 19520513
・大阪地方裁判所堺支部事件 19520515
・吹田事件 19520625
・横川元代議士襲撃事件 19520807
・大村収容所事件 19521111
・朝鮮戦争休戦協定締結 19530727
・浜松事件 19480404~05
・犬山事件 19480408
・阪神教育事件 19480414~26
・宇部事件 19481209
・姫路事件 19481210
・益田事件 19481225~26
・平事件 19490630
・下関事件 19490820
・武生事件 19490920
・台東会館事件 19500310・20
・人民広場事件 19500530
・朝鮮戦争勃発 19500625
・長田区役所襲撃事件 19501120~27
・大津地方検察庁襲撃事件 19501201
・円山公園事件 19501209
・王子朝鮮人学校事件 19510307
・浅草米兵暴行事件 19510321
・東成警察署襲撃事件 19511201
・練馬事件 19511226
・白鳥事件 19520121
・田口事件 19520203
・京都事件 19520223・0320
・広島事件 19520301
・静岡地方裁判所事件 19520414
・血のメーデー事件 19520501
・京都メーデー事件 19520501
・広島地裁被疑者奪回事件 19520513
・大阪地方裁判所堺支部事件 19520515
・吹田事件 19520625
・横川元代議士襲撃事件 19520807
・大村収容所事件 19521111
・朝鮮戦争休戦協定締結 19530727