http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/013/0788/01304010788010a.html
[047]
日本共産党 須藤五郎
現在の朝鮮人の国籍を大韓民国の決定によってきめるということに対しまして、私たちは勿論賛成できない。反対の立場をとつておるのです。朝鮮は統一さるべきものであり、そして統一の方向に動いておる。それが現在の状態ですし、もう李承晩政権というものはすぐ没落するという過程……すぐ近づいておるような状態で、次官は朝鮮の戦線に対する見通しが立たないと言うのですが、我々共産党ははっきりとした見通しを立てているわけです。それだけ共産党は優秀だというようなことを自慢するわけでもないのですが、まあ見通しは立てているわけなんです。それでそういうことに対しましては私たちは賛成はしがたいのですが、今次官の説明によりまして、とにかく北鮮系の人たちで大韓民国に国籍を持たない、持つことを拒否する、日本にいる朝鮮人の恐らく80~90%の人はそういう態度をとるだろうと思うのですが、その人たちにこれまで通り内国民としての待遇を与えられるということがはっきりしたと思うのです。この点私ども了承したいと思います。
(略)
[083]
日本共産党 須藤五郎
御参考までに申上げておきますが、蒋介石政権が華かなりし頃、中国の共産党員が日本に亡命して来たとき、そのときに日本からその亡命者を中国に送り還したときには、こういう方法をとったと思うのです。中立国の船で香港にまで送り届けて、そうして直ぐ内地には送らなかった。香港へ送還したということを私たちは聞いておるのです。
今政府がやろうとしておる北鮮系の人たちを直ぐ南鮮に送り還す、強権発動で送り還すということは、その人たちに死刑の宣告を下すことだと思う。而も政府のとっている善良なる朝鮮人というその反対の悪質なる朝鮮人ということは、皆食えなくて生活に困って濁酒を作らなくちゃやって行けないというような、そういう苦しい状態にまで日本人自身の手で追い込んだ朝鮮の人たちが、濁酒を作ったということで検挙される。それを善良でない悪質の朝鮮人というような認定をして、その人たちを南鮮の釜山なら釜山という港に送り還すというようなことをするならば、その人たちが南鮮に帰ってどういうひどい目に会うかということ、又南鮮のような所へ朝鮮人がたくさん還されて、そこで生活がやって行けるかどうかというと、これは人道上からも当局はよく考えなくちゃいけないと思う。戦争中には嫌がる朝鮮の人たちを日本へ暴力を以て引張って来て牛馬のごとく労働さして、日本の飛行場でも何でも土木建築というものは皆殆んど朝鮮人の血と汗ででき上ったものだと思うのです。そういうふうにこき使っておいて、そうして今日になって朝鮮人の職業を全部取上げてしまって、そうして食えぬからというので濁酒を作れば酒税法に触れるとか何とかいうことで弾圧して、その人たちを国外に追放するというようなことを若しなさるならば、これはとんでもないことになると思います。
ですから、この出入国管理令を若し実際にやるならば、政府はよほど人道上の立場からものを判断して、そうして飽くまでもその人たちの生命を保護するような方法でなさらないとこれはいけない。そういう方針でなかったら朝鮮人と日本人との間の軋轢というものは、もうこれはとんでもないことになって来るのではないかという心配を私たちはするわけです。ですから政府当局は大いにその点を考えてもらいたいと思います。
[084]
政府委員(外務政務次官) 石原幹市郎
須藤さんのお話によりますと、政府は非常に非人道な無理無体なことをやるような前提でいろいろ議論されるのでありますが、これはもう先ほどから申上げまするように、そういうことのできるだけないようにしたいという気持で登録法の運用について便法を考える。それからこの出入国管理令の関係の法律案におきましても、更に従来からおる人の在留資格であるとか、或いは在留期間につきましては、日韓会談によって或る一定の期間が置かれるのではないかと思うのでありますが、その期間は大体現状通りで、引続いて或る年限は在留が認められるというような措置まで講ぜられるのでありまして、不都合の少いようにしたいと思っておりますから……。
ただ日本の法令を少しも守らない、日本に対して非常な不都合を来たすような人までこの日本の中に置いておくということは、これは日本が非常に困るのでありますから、そういう人がある場合には特別の措置をとらなければならんかとも思いまするが、全体の者に対して何らか非常な無理無体な非人道的なことを我々がやろう、政府がやろうとしているのであるというような前提で御議論されることは我々として非常に困るというか、迷惑を感ずるところでありまするので、特にこの点を私はこの機会に申しておきたいと思います。
[085]
日本共産党 須藤五郎
もう時間も迫っておりますから、まあこれは政府に強くそういう点を要望して……。私は併しなんですよ、出入国管理令を作るということに賛成するというのではないですよ。これは基本的に、こういうものを作れば非常に過ちが多くなる、非常に間違いを起し易いし、又朝鮮人の立場から申しますれば、非常に侮辱されたようなことになりますし、非常に憤慨しておりますよ、朝鮮人はこういうことに対しまして……。だってその証拠に毎日よく朝鮮人から請願が来ますですよ。ですから若しもそういうように考えるならば、絶対に間違いないように運営に当りてよく注意されたい、こう思っている。今後国際的な問題を起さないように注意しなければいかんですね。
[086]
政府委員(外務政務次官) 石原幹市郎
これは朝鮮人というものが一応国籍が変るのですから、それは外国人としての登録法や、或いは出入国管理令の適用を受けることは当然で、出入国管理令とか、或いは外国人登録法とかいうような規則は、法令は世界文明各国どこでもあるわけで、ソ連にも恐らくこれ以上厳格なものがあるのじゃないかと思います。
[087]
日本共産党 須藤五郎
ソ連にはないですよ。
[088]
政府委員(外務政務次官) 石原幹市郎
これはどこにでもあるので、要は運用の問題です。運用については先ほどから申上げているように、理不尽なことのないようにやりたいというのが我々の考えで、それをあなたのほうは何だかそういうことをやるために、こういう法令をこしらえているという前提で議論されますから、そこが非常に違う、そういうふうに宣伝されたり、議論されたりすることは我々として非常に迷惑なんだということを先ほどから申上げております。
[089]
日本共産党 須藤五郎
それは民主的な政府が作ったのなら信用するけれども、そうじゃないから……。今日やられていることがそれを立派に証拠立てていると思います。官憲の朝鮮人に対する弾圧とか、そういうことがすべて裏付けになるから、そういうふうに解釈されるのは不徳のいたすところですよ。
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日共と在日の事件 ~ ソースは国会議事録
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・浜松事件 19480404~05
・犬山事件 19480408
・阪神教育事件 19480414~26
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・朝鮮戦争勃発 19500625
・長田区役所襲撃事件 19501120~27
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・円山公園事件 19501209
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・横川元代議士襲撃事件 19520807
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・朝鮮戦争休戦協定締結 19530727
・浜松事件 19480404~05
・犬山事件 19480408
・阪神教育事件 19480414~26
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